アメリカ人のベテラン女性教師マーガレット・へインズ・ヤマグチが英語のレッスンを通してお子様の想像力と思考力を養い、世界へ羽ばたく、個性豊かなエリートに育つお手伝いをします。
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2011/03/11 (Fri)
◎半母音 これまでこの稿を読んでこられた方はたぶんお気づきになったことと思うが、この稿の筆者は音声学(発音学)の専門家ではない。私は1960年代にアメリカの大学で音声学の授業を取ったことがある。ヴェトナム語やスワヒリ語の音の勉強をして、変った音があるものだな(たしかスワヒリ語では「w」のような口の形をして息を吸い込みながら「バ」と言え、とかヴェトナム語の節回し(大学などではイントネーションという)には歌のような音程があるのだな、とかいろいろ驚かされた。)しかしそのあと音声学の研究をしようとは思わなかった。自分が英語を使うのに最低必要限の基礎知識があればいいや、という気持ちであった。その理由は学問的な研究をしたって(英語学の音韻論で飯を食っている人には悪いけど)、一体何の意味があるの?と言う気持ちであった。そして学問的に音を知ったからと言って、正しい音が出せるとは限らない―それは別問題でしょう、と言う考えであった。つまり音楽理論に精通しているからいい演奏ができるということにはならないでしょう、という考えであった。
 なぜ今ここでこんなことを言い出すかというと、実は半母音とは何なのか、半母音の定義(概念規定)は何か、ということに私は確信がないからなのだ。(人間の発言は往々にして自己保存か自己弁護の意識化だ、という実例である。)音声学の本などには「母音に似た音価をもっていて、しかも単独では発音されない音」と書いてある。これからすると英語の場合、"y"の音と"w"の音ということになる。しかしこれに加えて私には別の音、即ち、「母音のようにフルで音節形成はしないけれど、ある程度音節を形成するもの」も入るべきではないかと考えてきた。(そこで専門家が何と言おうと)私は語尾にくる"l"の音や"n"の音や"m"の音も加えたいと思う。それでは伝統的な半母音の説明から始めよう。
(16) "year"、 "yeast" 、"yet" などの「イ」の音など
 "year"の発音と"ear"の発音は全く違う音である。"year"の方は日本語のヤ行の音なのである。しかし今の日本語では「ヤ行」の「イ」を「ア行」の「イ」と区別して発音せず、両方とも「ア行」の「イ」で間に合わせている。しかし"year"、 "yeast" 、"yet"などは「ヤ行」の音を出さなければならない。どうしたら出るようになるか?ya,yi,yu,ye,yo; ya,yi,yu,ye,yo と何度も練習してみる。すると出るようになる。今の日本語では yiとyeを発音しない。yeは比較的出しやすいが、yiは出しにくい。意識して出す必要がある。それでは次の練習をしてみよう。
"y" 「ヤ行」の練習 
year, yeast, yield, yet, yes, yell, yellow, yearn, unite, Europe, few, huge, human, amuse, value, yeoman, yonder, Yamkee
"y"「ヤ行」と"i"([ア行」)の対比練習
[yeast: east], [year: ear],[ yield: eel], [yell: el]

(17) wind, one, wood, way, wander, wake などの「ウ」の音
この音は日本語の「ウ」の音とは全く違う音である。日本語の[ウ」の音は唇を使わないで発音するが、英語の半母音の"w"の音は上下の唇を使って発音する。唇をタコになったような気持ちで突き出して、小さくすぼめる。それを(次の母音の発音と一緒に)瞬間的に破裂させる。これは実質的には両唇音と言って良い。(私は中・高生のころ神戸でパルモア英学院という夜間の英語教室に通っていたが、そこの教師で発音を教えていた人がこの音を称して「肛門型」と表現していた。私はそんな下品な表現はいくら正確でも、絶対に使わない。)それでは次の単語で練習してみよう。
wind, wood, weep, wet, wool, wear, walk, war, well, water, swim, what, where, when, why, with, anyone, quit, quick, wine

*次の3音は私が音節形成から判断して勝手に半母音だと考えるものである。
(18)full, hill, fulfill, unbelieavable など語尾(など)に来る"l"の音
この音は語頭にある"l"の音とは全く違う"l"の音で、英語の音声学ではdark "l" と呼ばれることがある。出し方は、舌がfull consonant の"l"の出る上の歯茎の裏、または硬口蓋の方へ動きながら、途中で動きを止めてしまう状態で出る音である。現実には日本語の「ゥ」の音か、「ォ」の音のように聞こえる音である。TVの番組で「アンビィーヴァボー」というのがあるが、その語尾の部分、「ボー」の部分がこの音である。(昔、発音を教えてくれた先生で、"hill"は「ヒル」と発音しないで、「ヒュ」と発音しろ、と教えてくれた人がいた。)次の単語を「ル」と発音しないで、日本語の「ゥ」か「ォ」を出すつもりで、練習しよう。
full, file, pile, pill, bill, doll, dull, eel, pool, apple, school, bubble, impossible, unbelievable

(19)sin, fin, fun など語尾にくる"n"の音
 この音は日本語の「ン」とは全く別であり、さらに通常の文頭などにくる英語の"n"の音とも違う。どこが違うかと言えば、"n"の音のあとに母音がついていないにもかかわらず、曖昧母音が付いた発音になる。即ち、"sin"は「スィン」ではなく、「スィンヌ」となり、"fin"は「フィンヌ」、"fun"は「ファンヌ」となる。"n"の部分を「ヌ」(または曖昧母音の「ナ」)を付けて次の単語を練習しよう。
sin, fin, pin, pen ,man ,ban, gun, fun, one, gone, done, none, kin, been, again

(20)語尾などに来る"m"の音
語尾にくる"m"は単に両唇の"m"の音だけではなく、有声音が暫く続く。(19)で説明した「ヌ」は絶対になくてはならないものだが、"m"の半母音化は、そういうことが起こるという理解で良いと思う。この発音も単語を強調したい時には曖昧母音の「マ」か「ム」が付いて、"beam"が「ビーマ」、「ビーム」となることもある。特に練習する必要もないが、"m"の部分を長めに伸ばすか、軽く「マ」をつけて次の単語を練習してみよう。
beam, seam, doom, boom, zoom, redeem

 *次から子音の解説に移ろう。アメリカ音で日本人には特に出しにくい音(だから聞き取りにくい音でもある)を中心に取り上げる。

*ここで発音を練習している人に役立つ情報を1つ。南雲堂と言う本屋さんから出版されている「TOEIC テスト・ナビゲーター改訂新版」(Donald Beaver, Michael Walker, Kei Mihara 共著)の各章のイントロ部分にある Mini-Point というところに、英語の単語が続いて発音される場合、単語の発音がどう変るかをうまく説明してある。たとえば "did you" は単独では「ディッド」と「ユー」であるが、続けて発音されると「ディッジュー」となる。あるいは "I got to go." 「アイ・ガラ・ゴー」(「もう行かなきゃ。」[ 「小児語では「トイレに行くぅ!」])のような、いわゆるリエゾンといわれるものをカタカナで表記している。文章単位で発音を勉強する時にはなかなか役に立つと思われるので、お勧めである。


 [アメリカン・ハウス英語教室 顧問 山口 隆一(文責)]
 アメリカン・ハウス英語教室 マーガレット ヘインズ ヤマグチ
       http://americanhouse.aikotoba.jp
               2011.03.12



 


2011/03/09 (Wed)
(12)up, puppy, under, supper, ultra などの「ア」の音
 日本語の「ア」より小さい口(「ウ」より大きい口)を開けて短く「ア」と発音する。(発音記号でいうと、「V のさかさま」とか「山型のア」といわれるものである。この音はどちらかというとアメリカ音よりはイギリス音に多い。次の単語で練習してみよう。
up, puppy, under, supper, ultra, thunder, wonder, govern, one, money, trouble, pump

(13)mud, tuck, luck, love などの[ア」の音
 これは(12)の「ア」のアメリカ音である。「ア」というよりは「ウ」に近い。この音はイギリス音では(12)の「ア」になる。
例えば、 "love" という語はイギリス音では(12)の「ア」を使い「ラヴ」と発音される。アメリカ音では「ウ」に近くなり大袈裟にいうと「ルヴ」のような感じになる。(アメリカのコッミクやグリーティング・カードには "love" を無理に "luv" とスペッてあるものがある。つまり「ルヴ」と読んでくれというサインである。それでは次の単語で練習しよう。
mud, tuck, luck, love, tug, fun, sun, rug, truck, bug, suppose(この単語をわれわれは「サポウズ」と発音すると思っているが、アメリカ音では「スポウズ」と発音されることが多い。)

(14) アクセントのないあいまい母音の音節の発音の仕方
"station" は「ステイション」ではなく、「ステイシュン」、"person" は「パーソン」ではなく「プースン」、"canon" は「キャノン」ではなく「ケアヌン」という感じで発音する。発音記号では「e の逆さま」または「あいまい母音」といわれるものであるが、そこには音節が1つありますよ、というサインでフル・ヴァウエルで読むのは間違いである。したがって、"customer" を[カスタマー」と読むのも「カストマー」と読むのもいずれも間違いである。「カストゥマー」と読むのがよい。

(15)西部では "how" が「ハウ」ではなく「ヒャウ」に、"house" が「ハウス」ではなく「ヒャウス」と発音されることが多い。もちろん「ハウ」と発音してまったく差し支えない。

(母音総括) だいたいこのぐらいで実際にわれわれ日本人が英語を使う時に注意しなければならないポイントはカヴァーできたと思う。もちろん音声学(発音学)の教科書なら言及しなければならない他の項目もあるが、この稿はあくまで実用を目指しているので体系としての完結は目的外である。ただこれまで取り上げなかった "bed" の[エ」の音など、私の耳で聞く限り、やや「ア」に近くなるように感じている(もちろん地域差はあると思うが・・・)。それから "bed"と "bet" の「エ」の音は同じではない。 「ベッド」の「エ」の音は「ベット」の「エ」より長い(長母音)のである。(有声音の前の母音は無声音の前の母音より長母音になる、というのは音声学も同意すると思う。この頃は何でも科学やハイテクで検証されるから、この信憑性もきっと簡単に検証されるだろう。そのうち、アシュケナージとアルゲリッチの、チャイコのピアノ・コンチェルトをコンピューターで分析して楽しむ時代が来るかも・・・もう来ているのかな。
 では次の稿から半母音の説明に移ろう。

    [アメリカン・ハウス英語教室 顧問 山口 隆一(文責)]
 アメリカン・ハウス英語教室 マーガレット ヘインズ ヤマグチ
        http://americanhouse.aikotoba.jp
               2011.03.09


2011/03/09 (Wed)
(11) park, pork, ear など母音と一緒に発音される "r" の音
 これはアメリカ音の特徴の1つと考えられている。(実際にはイギリス人でこの音を発音する人を私は知っているが・・・)それはさておき、この音は(10)で練習した bird などの「アー」の音を主役の母音のあとにつけて発音する。その場合、日本語のように2音節にはならない。1音節で(つまり手を1回たたく間に)発音する。即ち、主役の母音を半分くらい発音した時点で、舌をもち上げて、振るわせる。
 それでは次の単語で練習しよう。(この "r" の音がないとアメリカ音にならないということであって、英語の発音として致命的な欠陥になるというものではない。)
bar, hard, garden, far, part, star, are, heart, cart, pork, or, for, bore, tore, port, ear, year, peer, air, hair, bear, swear, beer, hear, gear, sure, mature, pure, manure(動物のふん), poor(アメリカでは多くの人が「プァ」ではなく、「ポァ」と発音する。)

  [アメリカン・ハウス英語教室 顧問 山口 隆一(文責)]
アメリカン・ハウス英語教室 マーガレット ヘインズ ヤマグチ
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               2011.03.09
2011/03/08 (Tue)
(10) bird, work, heard, girl, sir などの「アー」の音(本当は「ウー」に近い)
 この音はアメリカ英語の特徴をなすものである。出し方は日本語の「ウ」の口をして(だから日本語の「ア」の音より閉まった、小さい口をして、舌を巻く。)そして「アー」という感じで発音する。アメリカ英語は巻き舌だといわれるのはこの音のためである。ただアメリカでも東部や南部ではイギリス音(に近い音)が使われる。その発音も日本語の「ウ」の口をして、そのまま「アー」と発音する。つまり舌を巻かないわけである。
 前にも書いたが。「黄昏」のヘロインを演じたキャサリン・ヘップバーンはイギリス型の東部音、相手役のヘンリー・フォンダは西部型(現在のアメリカ標準音)であった。また「ドライヴィング・ミス・デイジー」の主役を演じたジェシカ・タンディーは東部型、その息子ブーリーを演じたダン・アクロイドは西部型の「アー」の音を使っていた。
 それでは次の単語で練習してみよう。(巻き舌というが、実際には舌を上げて震わすような感じで発音するとよい。)
 sir, fur, work, word, girl, bird, firm, term, early, learn, earth, occur, stir, first, third, journey, courage, worry, curry, hurry, earn, murmur
(なお、curry, hurry, courage などはイギリス音では短母音の「ア」という違う母音が使われる。)
  [アメリカン・ハウス英語教室 顧問 山口 隆一(文責)]
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               2011.03.08

 
2011/03/04 (Fri)
(7) see, he, bee, key, keep などの「イー」の音
 これは日本語の「イ」の音を伸ばせばよいので、まったく問題はない。(英語の母音で日本語の母音と同じものはないと言ったじゃないか、「うそつき!」と言われれば、「私はうそつきです。ハイ。)
それでは次の単語を自信をもって発音してみよう。
key, green, people, east, neat, sheep, tea, bean, seat, beat, heat, peak, deed, ease, leave, need, seed, peep(これは「覗く」という意味と同時にひよこの鳴き声の擬態語でもある。)

(8)cook, hook, foot, woman などの「ウ」の音
 この音は日本語にはない音である。cook とかhook という語は日本語にもなっている。「コックさん」とか「ホック」がはずれた、と言うではないか。しかし学校でちゃんと英語を習った人は、「クック」とか「フック」と発音する。その違いに実はこの英語の「ウ」の音の秘密がある。その違いの元は日本語の「ウ」は発音される時に舌に力が入っているが、この英語の「ウ」の音は舌に力がはいっていない。だから日本語の音の体系では「オ」のように聞こえる。これが、昔英語を耳から聞いた人の「コック」や「ホック」と学校で英語を習い、その音を発音記号通り読んだ人の違いだと思う。("woman" という語もアメリカ人が実際に発音するのを聞けば、「ウーマン」ではなく「ウオマン」と聞こえるのもこのためである。イギリス人については確認していないので保留する。) 発音記号のミスリーディングな点は、「イ」と「イー」の音の場合や、「ウ」と「ウー」の音の場合、両者の音(短母音と長母音)は全く異なる音なのに、同じ発音記号が用いられ、短母音を伸ばせば長母音になるという誤解を与えることである。
 それでは舌から力を抜いて次の単語を発音してみよう。
full, foot, nook, wood, look, put, wool, pull, hood, (good, book)
注(私の経験では "book" や "good" を発音する時に、アメリカ人で舌に力を入れて発音している人がいる。その音は次に説明する『舌に力を入れて発音する「ウー」の音』である。

(9) food, mood, shoe, boot などの「ウー」の音
 この音は日本語で「ウー」と発音する時の音と殆ど同じで、舌に力を入れて「ウー」と発音すればよい。日本語音との違いといえば唇をとがらせて発音しなければならない。それでは上下の唇を突き出して、日本語の「ウー」と発音して次の単語を練習しよう。
boot, food, mood, fool, pool, cool, shoe, glue, true, blue, who, (room, roof)
注(room, roof は長い「ウー」の代わりに短い「ウ」で発音する人がいる。つまり「ルーム」や「ルーフ」ではなく、「ルム」や「ルフ」と発音する。

[アメリカン・ハウス英語教室 顧問 山口 隆一(文責)]
アメリカン・ハウス英語教室 マーガレット ヘインズ ヤマグチ
   2011.03.04

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ILLUSTRATION BY nyao nyaoチャ箱♪