アメリカ人のベテラン女性教師マーガレット・へインズ・ヤマグチが英語のレッスンを通してお子様の想像力と思考力を養い、世界へ羽ばたく、個性豊かなエリートに育つお手伝いをします。
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これから個別の発音の出し方の説明に入りますが、皆さんもご存知のように、英語の発音にもいろいろな地域で使われている英語、即ち方言があります。私は1970年代にイギリスのストラットフォード・アポン・エイヴォンにある英国シェクスピア研究所にいたことがありますが、毎日日課が終わると各国から来ていた人たちがパブへ行きました。パブには正面に入口が端と端に2箇所あり、片方の入口はホワイトカラー階級の人のためのもの、もう一方の入口は労働者階級の人のためのものでした。中は広い一室になっていましたが、それぞれ占拠部分にはそれとなく棲み分けがあったと思います。(値段に差があったかどうかは覚えていません。)一番一般的な飲み物は "lager and lime" という、あまり苦味のないビールに柚のような柑橘類の果汁を混ぜた口当たりの良いものでした。私はそれまでアメリカにいましたので、 "half a pint of lager and lime, please." (「ラガー・アンド・ライムの中ジョッキをお願いします。」)と注文をアメリカ英語で「ヒャーファパインナ・リアガーンライム・プリーズ」と言うと、通じることは通じましたが変な奴という目で見られました。翌日行った時は、周囲のイギリス人の発音を真似て、「ホーフ・ア・ポイント・オヴ・ローガ・オンド・ロイム・プリーズ」といとカウンターのおじさんが、「おまえ一日で英語が随分うまくなったな。」と褒めてくれました。
また、もう一つのイギリスでの経験は1990年代にロンドンの西方にあるレディングの町にいた時のことです。(レディングは「幸福な王子」を書いた作家オスカー・ワイルドが男色の罪で投獄されていた町です。)ある日、休暇に入ったので、2週間乗り放題のブリット・レイルのパスに日付印を押してもらうために中年女性の駅員にパスを差し出したところ、彼女が"Are you going today?"(「今日から乗るの?」)というのを ”Are you going to die?" (「あなた死ぬの?」)と発音したではありませんか。これは発音のジョークとして日本の教科書にも載っているものですが、本物に出会って驚きました。これはロンドンの下町のコックニー方言といわれるもので、オーストラリア英語の元になっているものですが、ギリシャ神話のピグマリオン(自分が彫刻した女性に恋した男の話)をベースにして書かれた「マイ・フェア・レイディ」(レックス・ハリソンとオードリ・ヘップバーン主演の映画)の中でヘップバーンによって使われている英語です。
ところで、アメリカン・ハウス英語教室では一応アメリカ英語を使うことにしていますが、アメリカ英語と言ってもこれまたいろいろあります。東部の英語はイギリスの上・中流階級の英語に似ていますし、むかしNYがニュー・アムステルダムといわれた頃の英語はブルックリン訛りといって "first" を「フォイスト」、"girl" を「ゴイル」、"circumstance" を「ソイコムスタンス」と発音します。私は1950年頃故郷の神戸でブルックリン訛りを使うアメリカ人のご夫婦を知っていました。
またアメリカ南部の英語は東部の英語と同じように、巻き舌の "r" の音がありませんが、そのほかに名古屋弁のように「ミャーミャー」発音するのです(「どえりゃーうみゃーでいかんわ」など)。例えば、クリントン大統領(国務長官のだんな)は "It's fine today." は「イッツ・フャーン トゥデイ。」、"It's nice." は「イッツ・ニャース 。」と発音していました。
アメリカ全体でいうと "marry" というような単語は東部では「マリー」、ど真ん中のインディアナ辺りでは「メリー」、西部行くと「メアリー」(キリストの母マリアのような発音)とすこしずつ母音に違いが出ています。(アメリカの映画などを見る時に注意するとおもしろいことがあります。キャサリン・ヘップバーンとヘンリー・フォンダが主演した「黄昏」("On Golden Pond") は東部の英語と西部の英語の対決でした。「第3の男」でアナに恋する愚かなアメリカ男ホリー・マーティンズを演じるジョーゼフ・コットンの英語は強い西部訛りを少し薄めたような遠慮がちのアメリカ英語でした。)
能書きが長くなりましたが、これから発音の奥義を説明するアメリカ英語はどれに焦点を合わせるのかというと、北部・西部方言です。なぜならその英語は最も広い地域で、最も差異が少ないからです。昔の映画では東部英語が用いられましたが、今では北部・西部英語がアメリカ英語の主流となっています。
それでは、次回からは個々の発音(母音から入ります)を取り上げましょう。
[アメリカン・ハウス英語教室 顧問 山口 隆一]
アメリカン・ハウス英語教室
マーガレット ヘインズ ヤマグチ
http://americanhouse.aikotoba.jp
2011.02.23
また、もう一つのイギリスでの経験は1990年代にロンドンの西方にあるレディングの町にいた時のことです。(レディングは「幸福な王子」を書いた作家オスカー・ワイルドが男色の罪で投獄されていた町です。)ある日、休暇に入ったので、2週間乗り放題のブリット・レイルのパスに日付印を押してもらうために中年女性の駅員にパスを差し出したところ、彼女が"Are you going today?"(「今日から乗るの?」)というのを ”Are you going to die?" (「あなた死ぬの?」)と発音したではありませんか。これは発音のジョークとして日本の教科書にも載っているものですが、本物に出会って驚きました。これはロンドンの下町のコックニー方言といわれるもので、オーストラリア英語の元になっているものですが、ギリシャ神話のピグマリオン(自分が彫刻した女性に恋した男の話)をベースにして書かれた「マイ・フェア・レイディ」(レックス・ハリソンとオードリ・ヘップバーン主演の映画)の中でヘップバーンによって使われている英語です。
ところで、アメリカン・ハウス英語教室では一応アメリカ英語を使うことにしていますが、アメリカ英語と言ってもこれまたいろいろあります。東部の英語はイギリスの上・中流階級の英語に似ていますし、むかしNYがニュー・アムステルダムといわれた頃の英語はブルックリン訛りといって "first" を「フォイスト」、"girl" を「ゴイル」、"circumstance" を「ソイコムスタンス」と発音します。私は1950年頃故郷の神戸でブルックリン訛りを使うアメリカ人のご夫婦を知っていました。
またアメリカ南部の英語は東部の英語と同じように、巻き舌の "r" の音がありませんが、そのほかに名古屋弁のように「ミャーミャー」発音するのです(「どえりゃーうみゃーでいかんわ」など)。例えば、クリントン大統領(国務長官のだんな)は "It's fine today." は「イッツ・フャーン トゥデイ。」、"It's nice." は「イッツ・ニャース 。」と発音していました。
アメリカ全体でいうと "marry" というような単語は東部では「マリー」、ど真ん中のインディアナ辺りでは「メリー」、西部行くと「メアリー」(キリストの母マリアのような発音)とすこしずつ母音に違いが出ています。(アメリカの映画などを見る時に注意するとおもしろいことがあります。キャサリン・ヘップバーンとヘンリー・フォンダが主演した「黄昏」("On Golden Pond") は東部の英語と西部の英語の対決でした。「第3の男」でアナに恋する愚かなアメリカ男ホリー・マーティンズを演じるジョーゼフ・コットンの英語は強い西部訛りを少し薄めたような遠慮がちのアメリカ英語でした。)
能書きが長くなりましたが、これから発音の奥義を説明するアメリカ英語はどれに焦点を合わせるのかというと、北部・西部方言です。なぜならその英語は最も広い地域で、最も差異が少ないからです。昔の映画では東部英語が用いられましたが、今では北部・西部英語がアメリカ英語の主流となっています。
それでは、次回からは個々の発音(母音から入ります)を取り上げましょう。
[アメリカン・ハウス英語教室 顧問 山口 隆一]
アメリカン・ハウス英語教室
マーガレット ヘインズ ヤマグチ
http://americanhouse.aikotoba.jp
2011.02.23
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