アメリカ人のベテラン女性教師マーガレット・へインズ・ヤマグチが英語のレッスンを通してお子様の想像力と思考力を養い、世界へ羽ばたく、個性豊かなエリートに育つお手伝いをします。
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◎半母音 これまでこの稿を読んでこられた方はたぶんお気づきになったことと思うが、この稿の筆者は音声学(発音学)の専門家ではない。私は1960年代にアメリカの大学で音声学の授業を取ったことがある。ヴェトナム語やスワヒリ語の音の勉強をして、変った音があるものだな(たしかスワヒリ語では「w」のような口の形をして息を吸い込みながら「バ」と言え、とかヴェトナム語の節回し(大学などではイントネーションという)には歌のような音程があるのだな、とかいろいろ驚かされた。)しかしそのあと音声学の研究をしようとは思わなかった。自分が英語を使うのに最低必要限の基礎知識があればいいや、という気持ちであった。その理由は学問的な研究をしたって(英語学の音韻論で飯を食っている人には悪いけど)、一体何の意味があるの?と言う気持ちであった。そして学問的に音を知ったからと言って、正しい音が出せるとは限らない―それは別問題でしょう、と言う考えであった。つまり音楽理論に精通しているからいい演奏ができるということにはならないでしょう、という考えであった。
なぜ今ここでこんなことを言い出すかというと、実は半母音とは何なのか、半母音の定義(概念規定)は何か、ということに私は確信がないからなのだ。(人間の発言は往々にして自己保存か自己弁護の意識化だ、という実例である。)音声学の本などには「母音に似た音価をもっていて、しかも単独では発音されない音」と書いてある。これからすると英語の場合、"y"の音と"w"の音ということになる。しかしこれに加えて私には別の音、即ち、「母音のようにフルで音節形成はしないけれど、ある程度音節を形成するもの」も入るべきではないかと考えてきた。(そこで専門家が何と言おうと)私は語尾にくる"l"の音や"n"の音や"m"の音も加えたいと思う。それでは伝統的な半母音の説明から始めよう。
(16) "year"、 "yeast" 、"yet" などの「イ」の音など
"year"の発音と"ear"の発音は全く違う音である。"year"の方は日本語のヤ行の音なのである。しかし今の日本語では「ヤ行」の「イ」を「ア行」の「イ」と区別して発音せず、両方とも「ア行」の「イ」で間に合わせている。しかし"year"、 "yeast" 、"yet"などは「ヤ行」の音を出さなければならない。どうしたら出るようになるか?ya,yi,yu,ye,yo; ya,yi,yu,ye,yo と何度も練習してみる。すると出るようになる。今の日本語では yiとyeを発音しない。yeは比較的出しやすいが、yiは出しにくい。意識して出す必要がある。それでは次の練習をしてみよう。
"y" 「ヤ行」の練習
year, yeast, yield, yet, yes, yell, yellow, yearn, unite, Europe, few, huge, human, amuse, value, yeoman, yonder, Yamkee
"y"「ヤ行」と"i"([ア行」)の対比練習
[yeast: east], [year: ear],[ yield: eel], [yell: el]
(17) wind, one, wood, way, wander, wake などの「ウ」の音
この音は日本語の「ウ」の音とは全く違う音である。日本語の[ウ」の音は唇を使わないで発音するが、英語の半母音の"w"の音は上下の唇を使って発音する。唇をタコになったような気持ちで突き出して、小さくすぼめる。それを(次の母音の発音と一緒に)瞬間的に破裂させる。これは実質的には両唇音と言って良い。(私は中・高生のころ神戸でパルモア英学院という夜間の英語教室に通っていたが、そこの教師で発音を教えていた人がこの音を称して「肛門型」と表現していた。私はそんな下品な表現はいくら正確でも、絶対に使わない。)それでは次の単語で練習してみよう。
wind, wood, weep, wet, wool, wear, walk, war, well, water, swim, what, where, when, why, with, anyone, quit, quick, wine
*次の3音は私が音節形成から判断して勝手に半母音だと考えるものである。
(18)full, hill, fulfill, unbelieavable など語尾(など)に来る"l"の音
この音は語頭にある"l"の音とは全く違う"l"の音で、英語の音声学ではdark "l" と呼ばれることがある。出し方は、舌がfull consonant の"l"の出る上の歯茎の裏、または硬口蓋の方へ動きながら、途中で動きを止めてしまう状態で出る音である。現実には日本語の「ゥ」の音か、「ォ」の音のように聞こえる音である。TVの番組で「アンビィーヴァボー」というのがあるが、その語尾の部分、「ボー」の部分がこの音である。(昔、発音を教えてくれた先生で、"hill"は「ヒル」と発音しないで、「ヒュ」と発音しろ、と教えてくれた人がいた。)次の単語を「ル」と発音しないで、日本語の「ゥ」か「ォ」を出すつもりで、練習しよう。
full, file, pile, pill, bill, doll, dull, eel, pool, apple, school, bubble, impossible, unbelievable
(19)sin, fin, fun など語尾にくる"n"の音
この音は日本語の「ン」とは全く別であり、さらに通常の文頭などにくる英語の"n"の音とも違う。どこが違うかと言えば、"n"の音のあとに母音がついていないにもかかわらず、曖昧母音が付いた発音になる。即ち、"sin"は「スィン」ではなく、「スィンヌ」となり、"fin"は「フィンヌ」、"fun"は「ファンヌ」となる。"n"の部分を「ヌ」(または曖昧母音の「ナ」)を付けて次の単語を練習しよう。
sin, fin, pin, pen ,man ,ban, gun, fun, one, gone, done, none, kin, been, again
(20)語尾などに来る"m"の音
語尾にくる"m"は単に両唇の"m"の音だけではなく、有声音が暫く続く。(19)で説明した「ヌ」は絶対になくてはならないものだが、"m"の半母音化は、そういうことが起こるという理解で良いと思う。この発音も単語を強調したい時には曖昧母音の「マ」か「ム」が付いて、"beam"が「ビーマ」、「ビーム」となることもある。特に練習する必要もないが、"m"の部分を長めに伸ばすか、軽く「マ」をつけて次の単語を練習してみよう。
beam, seam, doom, boom, zoom, redeem
*次から子音の解説に移ろう。アメリカ音で日本人には特に出しにくい音(だから聞き取りにくい音でもある)を中心に取り上げる。
*ここで発音を練習している人に役立つ情報を1つ。南雲堂と言う本屋さんから出版されている「TOEIC テスト・ナビゲーター改訂新版」(Donald Beaver, Michael Walker, Kei Mihara 共著)の各章のイントロ部分にある Mini-Point というところに、英語の単語が続いて発音される場合、単語の発音がどう変るかをうまく説明してある。たとえば "did you" は単独では「ディッド」と「ユー」であるが、続けて発音されると「ディッジュー」となる。あるいは "I got to go." 「アイ・ガラ・ゴー」(「もう行かなきゃ。」[ 「小児語では「トイレに行くぅ!」])のような、いわゆるリエゾンといわれるものをカタカナで表記している。文章単位で発音を勉強する時にはなかなか役に立つと思われるので、お勧めである。
[アメリカン・ハウス英語教室 顧問 山口 隆一(文責)]
アメリカン・ハウス英語教室 マーガレット ヘインズ ヤマグチ
http://americanhouse.aikotoba.jp
2011.03.12
なぜ今ここでこんなことを言い出すかというと、実は半母音とは何なのか、半母音の定義(概念規定)は何か、ということに私は確信がないからなのだ。(人間の発言は往々にして自己保存か自己弁護の意識化だ、という実例である。)音声学の本などには「母音に似た音価をもっていて、しかも単独では発音されない音」と書いてある。これからすると英語の場合、"y"の音と"w"の音ということになる。しかしこれに加えて私には別の音、即ち、「母音のようにフルで音節形成はしないけれど、ある程度音節を形成するもの」も入るべきではないかと考えてきた。(そこで専門家が何と言おうと)私は語尾にくる"l"の音や"n"の音や"m"の音も加えたいと思う。それでは伝統的な半母音の説明から始めよう。
(16) "year"、 "yeast" 、"yet" などの「イ」の音など
"year"の発音と"ear"の発音は全く違う音である。"year"の方は日本語のヤ行の音なのである。しかし今の日本語では「ヤ行」の「イ」を「ア行」の「イ」と区別して発音せず、両方とも「ア行」の「イ」で間に合わせている。しかし"year"、 "yeast" 、"yet"などは「ヤ行」の音を出さなければならない。どうしたら出るようになるか?ya,yi,yu,ye,yo; ya,yi,yu,ye,yo と何度も練習してみる。すると出るようになる。今の日本語では yiとyeを発音しない。yeは比較的出しやすいが、yiは出しにくい。意識して出す必要がある。それでは次の練習をしてみよう。
"y" 「ヤ行」の練習
year, yeast, yield, yet, yes, yell, yellow, yearn, unite, Europe, few, huge, human, amuse, value, yeoman, yonder, Yamkee
"y"「ヤ行」と"i"([ア行」)の対比練習
[yeast: east], [year: ear],[ yield: eel], [yell: el]
(17) wind, one, wood, way, wander, wake などの「ウ」の音
この音は日本語の「ウ」の音とは全く違う音である。日本語の[ウ」の音は唇を使わないで発音するが、英語の半母音の"w"の音は上下の唇を使って発音する。唇をタコになったような気持ちで突き出して、小さくすぼめる。それを(次の母音の発音と一緒に)瞬間的に破裂させる。これは実質的には両唇音と言って良い。(私は中・高生のころ神戸でパルモア英学院という夜間の英語教室に通っていたが、そこの教師で発音を教えていた人がこの音を称して「肛門型」と表現していた。私はそんな下品な表現はいくら正確でも、絶対に使わない。)それでは次の単語で練習してみよう。
wind, wood, weep, wet, wool, wear, walk, war, well, water, swim, what, where, when, why, with, anyone, quit, quick, wine
*次の3音は私が音節形成から判断して勝手に半母音だと考えるものである。
(18)full, hill, fulfill, unbelieavable など語尾(など)に来る"l"の音
この音は語頭にある"l"の音とは全く違う"l"の音で、英語の音声学ではdark "l" と呼ばれることがある。出し方は、舌がfull consonant の"l"の出る上の歯茎の裏、または硬口蓋の方へ動きながら、途中で動きを止めてしまう状態で出る音である。現実には日本語の「ゥ」の音か、「ォ」の音のように聞こえる音である。TVの番組で「アンビィーヴァボー」というのがあるが、その語尾の部分、「ボー」の部分がこの音である。(昔、発音を教えてくれた先生で、"hill"は「ヒル」と発音しないで、「ヒュ」と発音しろ、と教えてくれた人がいた。)次の単語を「ル」と発音しないで、日本語の「ゥ」か「ォ」を出すつもりで、練習しよう。
full, file, pile, pill, bill, doll, dull, eel, pool, apple, school, bubble, impossible, unbelievable
(19)sin, fin, fun など語尾にくる"n"の音
この音は日本語の「ン」とは全く別であり、さらに通常の文頭などにくる英語の"n"の音とも違う。どこが違うかと言えば、"n"の音のあとに母音がついていないにもかかわらず、曖昧母音が付いた発音になる。即ち、"sin"は「スィン」ではなく、「スィンヌ」となり、"fin"は「フィンヌ」、"fun"は「ファンヌ」となる。"n"の部分を「ヌ」(または曖昧母音の「ナ」)を付けて次の単語を練習しよう。
sin, fin, pin, pen ,man ,ban, gun, fun, one, gone, done, none, kin, been, again
(20)語尾などに来る"m"の音
語尾にくる"m"は単に両唇の"m"の音だけではなく、有声音が暫く続く。(19)で説明した「ヌ」は絶対になくてはならないものだが、"m"の半母音化は、そういうことが起こるという理解で良いと思う。この発音も単語を強調したい時には曖昧母音の「マ」か「ム」が付いて、"beam"が「ビーマ」、「ビーム」となることもある。特に練習する必要もないが、"m"の部分を長めに伸ばすか、軽く「マ」をつけて次の単語を練習してみよう。
beam, seam, doom, boom, zoom, redeem
*次から子音の解説に移ろう。アメリカ音で日本人には特に出しにくい音(だから聞き取りにくい音でもある)を中心に取り上げる。
*ここで発音を練習している人に役立つ情報を1つ。南雲堂と言う本屋さんから出版されている「TOEIC テスト・ナビゲーター改訂新版」(Donald Beaver, Michael Walker, Kei Mihara 共著)の各章のイントロ部分にある Mini-Point というところに、英語の単語が続いて発音される場合、単語の発音がどう変るかをうまく説明してある。たとえば "did you" は単独では「ディッド」と「ユー」であるが、続けて発音されると「ディッジュー」となる。あるいは "I got to go." 「アイ・ガラ・ゴー」(「もう行かなきゃ。」[ 「小児語では「トイレに行くぅ!」])のような、いわゆるリエゾンといわれるものをカタカナで表記している。文章単位で発音を勉強する時にはなかなか役に立つと思われるので、お勧めである。
[アメリカン・ハウス英語教室 顧問 山口 隆一(文責)]
アメリカン・ハウス英語教室 マーガレット ヘインズ ヤマグチ
http://americanhouse.aikotoba.jp
2011.03.12
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